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2021年6月27日 (日)

豊かな孤独

今年度の前期は、

心理学専攻以外の学生にも開かれている演習を担当している。

毎回、絵本を通してみんなで心に向き合う時間。

ある日のテーマは「孤独と孤立」。

学生の中に

中高校生のころは「孤立したくないと思っていた」り、

「孤立しないことにエネルギーを傾けていた」り、

そんな体験をもっているものがいたけれど、

大学生になった今、

孤独の体験を大切だと思えている自分がいることに

気づいているものがいた。

もちろん、いまだに孤立も孤独も

好きになれないという人もいたけれど、

どちらが正しいとか、間違いとか、そんなのはない。

でも、「豊かな孤独」を大切に思えるようになるきっかけって

なんだったんだろうかと関心をもった。

 

さて、テキストには、

「豊かな孤独」を体験させるもののひとつとして

「自然」ということが取り上げている。

そこで、他にどんなふうに

「豊かな孤独」を体験することができるか

学生たちの体験を共有した。

 

静かに本を読むこと、好きな音楽を聴くこと、

入浴したり、夜にベッドの上でぼおっと横になったり

ということが大切な孤独の時間を提供していると教えてくれた。

他にも、ひとり旅やあえて人ごみに出てする買い物なんてことも

「豊かな孤独」を体験させているようだった。

いろいろあって面白い。

そして、いずれの「豊かな孤独」も、

大学生の彼らにとって、

こう見られたい、こうでなければということから解放され

「自由」を体感しながら

自分のありのままと向き合うチャンスとなっていることが、

見えてきて、あらためて、

青年期の「豊かな孤独」の意味を感じることができた。

 

そうそう、面白かったことは他にもあってね、

この日は、演習の中で、

絵本「泣いた赤鬼」の物語の続きを考えてみた。

赤鬼は人間の友だちができなくてさびしくてね、

親友の青鬼の力を借りて友だちができるんだけど

青鬼は置手紙を残していなくなってしまうという話。

 

Img_0081

(泣いた赤鬼 偕成社)

 

なんとも言えない終わりだ。

 

みんなからの物語の続きには、

さまざまなキーワードが登場した。

正直になる勇気、

深い後悔と感謝、

試練と謝罪、

関係づくりの理解と成長、

自分中心的指向からの脱却…

 

学生たちが考えてくれた物語の続きには、

赤鬼が「ひとりになる」という体験が

いくつも存在していたのは印象的だった。

それは最初に赤鬼が体験していた

「ひとりになる」とは異なる体験であった。

 

へそ曲がりの私は、

青鬼を主語にして続きを作ってみた。

青鬼は、自分が書いた手紙について

旅をしながらひとりになって考えてみて、

自ら赤鬼のところに戻っていくという物語。

 

彼にも「ひとりになる」時間が必要で、

それは彼をも変化させていくんじゃないかな。

 

あなたならどういう物語の続きを作るかしら?(ま)

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